寿司職人の板前・親方・握り手などの呼び方や意味・言葉の違いと場面ごとの正しい使い分け

「板前」や「握り手」など寿司職人の現場では、人を呼ぶときにさまざまな言い方が存在するので、正しい使い方を理解している人は少ないでしょう。

  • 寿司職人の正しい呼び方
  • 言葉の意味の違い
  • 正しい言葉の使い分け方

言葉それぞれの使い分けを文法的、機械的に使い分けるのは非常に困難です。

しかし、実際に調理の場にいた経験や周りの飲食に従事する現役料理人に確認し、違和感のない言葉の使い分けや意味の理解ができるように解説していきます。

目次

寿司職人の呼び方5選

寿司職人と一言にいっても、担当のポジションなどによって職人ひとり一人の呼ばれ方が違ってきます。

また職場内での呼ばれ方や、対外的にお客さんから呼ばれる呼称など、誰から呼ばれるかによっても言葉の使い分けが変わってきます。

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板前

一般的によく言われる「板前さん」という呼び方。

「寿司職人」と同じような感覚で使うことが多く、「お寿司の板前さん」という言い方で表すこともあります。

「板前」とは一般的に日本料理に携わる料理人全般に対して使う言葉で、割烹料理、料亭、なども含まれます。

寿司職人と板前さんを使い分ける明確な基準はありません。

一般的な会話の中で「寿司職人」と「お寿司の板前さん」のどちらを使っても違和感はないですが、料理人同士が「お寿司の板前さん」という言い方で呼び合うことは少ないです。

一般の人かもしくは料理人か、話し手によって言葉の選び方が変わってきます。

寿司職人

「寿司職人」と「板前」という2つの言い方をすることがあります。

寿司職人は和食というジャンルに振り分けられることが多いですが、和食の料理人は寿司職人を別の角度から分け隔てているきらいがあります。

  • 技術力の違い
  • 扱える料理品数の違い
  • 調理工程の違い

和食の職人と寿司職人をしっかり区別するために「寿司職人」と「板前」をあえて分けて表現する料理人もいます。

寿司は和食ですが和食の中でも業務内容の違いから、和食の中のサブジャンル的な認識をされることがあります。

もはや寿司は一品の料理名ではなくジャンルとしての意味づけをされるまでのスケールの大きさや深さを持っているようなイメージです。

寿司職人自身は「寿司職人」と名乗ることが多く、「寿司の板前」と言うことは少ないです。

一方で、一般の人が寿司を握る人を「寿司職人」と言ったり、「寿司の板前さん」と言ったりします。

どの立場から寿司職人を指すのかによってそれぞれの言葉のチョイスが変わってきます。

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握り手

「握り手」という言葉を使う時もありますが、一般的にも料理人の世界でもなかなか使う機会がない言葉です。

料理場では寿司のことを「握り」という機会が多いので、その延長で「握り手」という派生語を使うことがあります。

「握り手」の例文
今日の握り手は誰ですか?

○○さんになります。

基本的にはあまり使い慣れない言葉なので、使い分けが難しいです。

店長

チェーン店や個人店の寿司職人の場合は寿司職人でも「店長」と呼ぶことがあります。

ただ「店長」の言葉を使う際には、店主の寿司職人の性格や人柄を見て使い分けた方がいいです。

自分の技術に強いこだわりを持ち、昔ながらの伝統を重んじている人に対して「店長」という言葉を選んでしまうと気分を害する可能性があります。

敬意を込める場合は別の言葉を選んだほうがいいかもしれません。

あまり形式にこだわらない寿司職人もいるので人によって気にしなさそうな人柄の人には「店長さん」を気軽に読んでみてもいいでしょう。

大将

大将は一番ぽピュラーで使う頻度が高い寿司職人に対する言葉です。

  • アルバイトスタッフが店主を呼ぶ場合
  • お客様が寿司職人を呼ぶ場合
  • 従業員が店主を呼ぶ場合

年齢的に30〜40代の寿司職人の店長をイメージさせるような呼び方になります。

親方

一部の店舗では寿司屋のトップを親方というところもごく僅かに残っているところもありますが、かなり少数派でしょう。

その昔は、寿司職人の弟子の数も多く、その大勢の従業員たちを束ねる親方として、大きな存在感を持っていた時代もあるでしょう。

しかし、言葉の響き的にも今の時代には合わないようなイメージがあります。

  • 昔ながらの上下関係を彷彿とさせる言葉のイメージ
  • 親と子と明確な主従関係が言葉の一部で垣間見える

時代の流れと共に、寿司職人同士やお客様からの呼び名としても「親方」という呼び方をする機会はめっきり減ってしまっています。

寿司屋でのお店の人の呼び方

寿司屋で注文や頼み事がある際に、どのようにお店の人を呼べばいいでしょうか。

常連客になっている場合

もしお店の常連客になっている場合は気軽に「大将」と呼んでみると親近感が湧いて、お店側も違和感なく気軽に接することができるでしょう。

定期的にお店に通うことで顔馴染みになり、大将という呼び名が愛称にもなり、美味しい魚や貴重な部位、珍しい地酒などが入荷した際は、優先的に振る舞ってもらったりもするでしょう。

「大将、いつものお願い!」でも伝わるくらい通い詰めると、本物の常連です。

初来店の場合

初来店の場合は特に「大将」や「親方」といった呼び方をするのは抵抗があります。

この場合は、呼び名で呼ぶのではなく「すいません!」と声かけをしましょう。

特に寿司職人を特定の呼び名で呼ぶ必要もないですが、距離感が近づいてきたら「大将」と読んでみるのもいいです。

もしくは、職人さんの本名が聞ければ、「◯◯さん」と苗字で呼ぶと相手も親近感を持って接してもらえるようになる機会が増えるでしょう。

まとめ

寿司職人の呼び方について、使う場面を間違えると違和感につながったり、素人感を出してかねません。

一般のお客さんとして話す分では、たとえ間違っていても問題ないでしょう。

しかし業界人が誤った呼び名を使うとプロ意識を疑われるので注意していきましょう。

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